
キャンピングカーの中にはマルチルームを備えるモデルが一定数存在します。マルチルームはトイレやシャワーを設置するだけでなく、アイディア次第で多目的に使用できるのが魅力です。
少なからずデメリットもありますが、マルチルームを設置することでキャンピングカーの快適性を向上させることができるはずです。キャンピングカー購入前に、マルチルームの基本的な使い方やメリット・デメリットを確認しておきましょう。
キャンピンルカーのマルチルームはアイディア次第で多目的に使える
マルチルーム付きのキャンピングカーは、基本的にビルダーなどで販売されている架装済みモデルから選ぶことになります。標準装備はもちろん、ビルダーによってはオプションも豊富でアイディア次第で多目的に使えるでしょう。
一方、キャンピングカーの種類によっては、マルチルームが付いているモデルが限られるため注意が必要です。マルチルームの機能やオプションもビルダーによって異なるため、購入前の比較には時間をかける必要があります。
マルチルームの主な使用用途はトイレやシャワールームの設置
キャンピングカーのマルチルームは主に以下のような用途で使用されます。
- トイレ・シャワー・洗面所の設置
- 収納スペースとしての利用(クローゼット、物置)
- 簡易的な個室として活用(更衣室など)
メインとなるのはトイレやシャワー、洗面所などの設備です。水回り関連の設備があるマルチルームは、基本的に防水加工が施されているという特徴があります。一方、防水加工が施されていないマルチルームでも、収納スペースや簡易的な個室として活用することが可能です。マルチルームの設備は標準またはオプションで設定されていることが多く、自分好みに仕上げられるのも特徴だといえます。なおマルチルームのタイプや利用可能な設備はキャンピングカーごとに異なるため、購入する前に比較・検討することが重要でしょう。
キャブコンや一部のバンコンでマルチルーム設置モデルが選べる
マルチルームの設置には一定のスペースが必要となることから、特に大型のキャンピングカーに搭載されるのが主流です。大型のキャンピングカーは複数の種類がありますが、中でも日本国内で人気の高いキャブコン(キャブコンバージョン)はマルチルーム付きのモデルが比較的多いといえるでしょう。マルチルーム付きのキャブコンは取り扱っているビルダーも多く、購入しやすいのも魅力の1つです。
一方、キャブコンと比較して数は少ないものの、同じく日本国内で人気の高いバンコン(バンコンバージョン)や軽キャンピングカー(軽キャブコン)でもマルチルーム付きのモデルは販売されています。キャブコンと比較して選択肢は多いとはいえませんが、購入価格を抑えられるなどのメリットがあるでしょう。
メリット・デメリットを確認してキャンピングカーのマルチルームを検討
キャンピングカーにマルチルームを設置すると、キャンピングカーの活用の幅が大きく広がるかもしれません。これまで以上にキャンピングカーを快適に使いたいと考えているなら、マルチルーム付きのモデルを検討してみるのもよいでしょう。
ただし、マルチルーム付きモデルには少なからずデメリットも存在するため注意が必要です。マルチルームの主要なメリット・デメリットを確認しておくことで、購入後にミスマッチが発生する確率を下げられるはずです。
プライベート空間が確保でき車中泊の快適性や防犯性が向上する
キャンピングカーのマルチルームには以下のようなメリットがあります。
- 車中泊が快適になる
- プライベート空間が確保できる
- 災害時なども便利
- オプションを後付けできる
キャンピングカーにマルチルームを設置すると、車中泊の快適性が向上するという大きなメリットが生まれます。移動中はもちろん、天候やキャンプ場の環境に関わらず快適にトイレやシャワーを利用することが可能です。特に女性の1人旅や家族旅行、夜間のトイレ使用など防犯面を充実させたいと考えているならマルチルーム付きモデルがおすすめだといえるでしょう。また、災害時や非常時でもキャンピングカーを利用しやすい環境を整えることができます。ビルダーやモデルによってはオプションも豊富に用意されており、必要に応じて後付けで追加することも可能です。
居住スペースが圧迫され清掃やメンテナンスの手間は増える
キャンピングカーのマルチルームには以下のようなデメリットがあります。
- 居住スペースが圧迫される
- トイレやシャワーのメンテナンスの手間がかかる
- 購入価格・オプション費用が上がる
マルチルームを設置することで居住スペースが狭くなるため、リビングやベッドなど他のエリアの使用や移動に難が出る可能性があるでしょう。例えばマルチルームの有無を選べるキャンピングカーでは、乗車定員や就寝人数に差が出ることもあります。また、トイレやシャワーを設置することで定期的なメンテナンスが必要となりますし、初期費用が高くなってしまうデメリットがあります。トイレやシャワーが充実している場所でのキャンプなどがメインなら、マルチルームがないキャンピングカーでも困らないかもしれません。
ビルダーによってはマルチルームの有無が選べる│バンコンならお手頃なモデルも
キャンピングカーのマルチルーム付きモデルは多くのビルダーが取り扱っており、オプションも豊富に用意されています。通常のキャンピングカーと比較すると高めの価格設定となりますが、必要な機能を限定すれば初期費用を抑えることも可能です。
キャンピングカーのマルチルーム付きモデルの参考価格を、主要なビルダーや定番のベース車両から確認してみましょう。
キャブコンの購入費用は高いがマルチルームのオプションも豊富
カムロードをベース車両としたキャブコンは、ビルダーを問わずマルチルーム付きモデルが選びやすいといえるでしょう。高価なモデルはマルチルームに防水処理が施されているモデルも多く、標準装備やオプションも豊富に用意されています。一方、NV200バネットなどをベース車両としたいわゆる「ライトキャブコン」でもマルチルーム付きのモデルは販売されています。
ライトキャブコンのマルチルームの機能は限られることが多いものの、カセット式トイレの設置や物置として活用することができるでしょう。カムロードベースのキャブコンと比較して価格も抑えられているため、マルチルーム付きキャブコンを検討している初心者にもおすすめです。
ベース車/ビルダー | 車両価格(税込) ※ホームページ掲載価格 |
乗車定員/就寝人数 | マルチルーム装備 |
カムロード ビルダー仕様/V社 | 11,800,000円(2WD) | 7名/5名 | 【標準装備】シャワー、シャワーバン、洗面台&鏡(2面鏡)、トイレ(電動式水洗い)、上部吊り戸棚、ソーラールーフベンチレーター(常時換気) 【オプション】ラップ式トイレ、360°シャワーカーテン |
11,980,000円(4WD) | 6名/5名 | ||
カムロード/N社 | 8,584,000円(2WD) | 7名/6名 | 【標準装備】なし(FFダクト付き) 【オプション】シャワーキット、小型ベンチレーター、シャワーパン、四角窓(防水カーテン付き)、ハンガーパイプ、カセット・ポータブルトイレなど |
8,787,000円(4WD) | |||
NV200バネット/A社 | 6,76,600円(2WD) | 4名/4名 | 【標準装備】マルチルームバゲッジドア |
マルチルームの機能は限定されるがバンコンにはリーズナブルなモデルもある
バンコンは主にハイエースをベース車両としたキャンピングカーでマルチルーム付きのモデルを選ぶことができます。機能を充実させたモデルは高額ですが、カムロードベースのキャブコンと比較すれば価格を抑えられるのがメリットです。
バンコンのマルチルームは基本的には防水仕様が施されていないため、物置やトイレとしての利用が中心となるでしょう。一部に防水ルームが設置されたモデルもありますが、購入価格が高くなるためキャンピングカーの利用用途をしっかり確認しておく必要があります。
ベース車/ビルダー | 車両価格(税込) ※ホームページ掲載価格 |
乗車定員/就寝人数 | マルチルーム装備 |
ハイエース バン スーパーロング キャンピングカー仕様/T社 | 7,290,000円(2WD/ガソリン) | 7名/4名 | 【オプション】ポータブルトイレ、FFヒーター |
7,620,000円(4WD/ガソリン) | |||
ハイエース バン GLパッケージ 特設車/O社 | 6,040,000円(2WD/ガソリン) | 6名/大人3名 | 【標準装備】ポータブルトイレ |
7,200,000円(4WD/ディーゼル) | |||
ハイエース SL キャンパー特装車 | 9,460,000円(2WD/ガソリン) | 7名/4名 | 【標準装備】防水マルチルーム、キャビネット、換気扇 |
9,768,000円(4WD/ガソリン) |
キャンピングカーのマルチルームは新しいモデルが登場するたびに進化
キャンピングカーのマルチルームは新しいモデルが登場するたびに進化しているのが魅力です。近年では基本的な機能アップデートだけでなく、独自のデザイン性やレイアウトを備えたモデルも登場しています。
マルチルームのオリジナル機能はビルダー・モデルによって幅が広いため、利用人数や用途を明確にした上で検討する必要があるでしょう。
ビルダーが同じでもマルチルームの機能やデザインはモデルごとに異なるため、最新機種も含めて比較するのがおすすめです。
機能・快適性の向上はもちろんデザイン性に優れたモデルも
マルチルームを備えたキャンピングカーは、ビルダー独自の機能やデザインが盛り込まれているのが特徴です。例えばマルチルームにFFヒーターを備えたモデルであれば冬場でも快適に使えるのはもちろん、乾燥室としても利用することができます。
また、機能面の充実だけでなく、デザイン性に特化したモデルを選べば高級ホテルのような安らぎをえられるかもしれません。マルチルーム付きのキャンピングカーを選ぶ際は、機能や快適性だけでなく、デザイン性もチェックしておくのがおすすめです。
レイアウトの工夫や独自機能で限られたスペースが有効活用できる
マルチルーム付きのキャンピングカーを選ぶ際は、モデル独自のレイアウトや機能にも注目してみましょう。例えばライトキャブコンの中にはリアエントランスや外部ドアを採用し、マルチルームへのアクセスを容易にしたモデルも存在します。
また、マルチルームに拡張機能のあるキャンピングカーを選べば、限られたスペースを有効活用することもできるでしょう。ビルダーが同じでもマルチルームの機能やデザインはモデルごとに異なるため、最新機種も含めて比較するのがおすすめです。
キャンピングカーのマルチルームは使用用途を明確にした上で設置を検討
キャンピングカーにマルチルームがあると、車中泊が快適になるなどのメリットがえられます。長距離移動やファミリー利用なら、マルチルームのメリットを最大限活かせるはずです。
一方、マルチルームのタイプや機能はモデルごとに異なりますし、居住スペースが圧迫されるなど少なからずデメリットも発生します。キャンピングカーにマルチルームを設置したい場合は、利用用途を明確にした上でビルダーへの相談や試乗などもおこなうのがおすすめです。