バスコンのベース車両や必要免許などの基本情報、メリット・デメリットなどをご紹介いたします。
バスやマイクロバスをベースとした「バスコン」は、キャンピングカーの頂点ともいえる魅力を持ったモデルです。他のキャンピングカーと比較して高額ですが、乗り心地や居住スペースの広さなどバスコンでしか味わえない魅力も多くあります。
ワンランク上のキャンピングカーの購入を検討しているなら、是非最後までご覧になってはいかがでしょうか。
バスコンはマイクロバスをベースとするキャンピングカー
バスコンバージョンの通称「バスコン」はその名の通り、バスやマイクロバスをベースとして改造が施されたキャンピングカーの一種です。国産のキャンピングカーとしては最大サイズのカテゴリーで、居住スペースの快適性や乗り心地がメリットとして挙げられます。バスコンはボディの加工は少なく、窓を埋め込んで断熱性とプライバシー性を向上させているという特徴があります。
バスやマイクロバスをベースとしたキャンピングカーとしてはセミフルコン(セミフルコンバージョン)もありますが、こちらはバスコンとは違いキャビンとなるシェルを後部に架装しているという違いがあります。
全長は約7メートル以下・定員29名以下が基本
バスコンのベースとして主流となっているのは下記3つの車両です。
ベース車両:参考 | 全長・全幅 | 定員 | 排気量 |
トヨタ・コースター ※LX標準ボディハイルーフ |
全長:6.255ミリメートル 全幅:2,035ミリメートル |
26人 | 4.009リットル~4.104リットル |
トヨタ・コースター ※EXロングボディ |
全長:6.990ミリメートル 全幅:2,035ミリメートル |
29人 | 4.009リットル |
日産・シベリアン(生産・販売終了) ※パンバー組み込み ※ロングボディ |
全長:6,995ミリメートル 全幅:2,065ミリメートル |
29人 | 4.478リットル |
三菱ふそう・ローザ ※スタンダード ※ロングボディ |
全長:6,990ミリメートル 全幅:2,010ミリメートル |
29人 | 2.998リットル |
トヨタ・コースターは代表的なバスコンのベース車両で、取り回しに優れることから人気のモデルとなっています。また、三菱ふそう・ローザは4WDモデルがあり馬力に優れるのが特徴です。一方、日産・シベリアンはガソリンエンジンしかなく、ベース車両としては一般的とはいえません。
なお同じベース車両でも販売時期やグレードによって車両の全長・全幅はもちろん、乗車定員やスペックにも違いがあります。
乗車定員10名以下なら準中型免許でも運転可能
バスコンのベース車両は乗車定員29人以下と大人数で利用することを前提として開発されています。ただし、キャンピングカーメーカーがバスコンを手掛ける際には、リアシートを取り外すなどして乗車定員の変更がおこなわれるのが一般的です。乗車定員10人以下のバスコンも多く、基本的に準中型免許で運転することができます。
例えばトヨタ・コースターがベース車両のキャンピングカーは、車両総重量も含め準中型自動車免許の条件に収まるはずです。なお、2007年6月1日以前に免許を取得している場合は、普通自動車免許でバスコンなどの中型自動車(8トンまで)を運転することが可能です。
免許の区分 | 普通自動車 | 準中型自動車 | 中型自動車 | 大型自動車 |
車両総重量 | 3.5トン未満 | 3.5トン以上 7.5トン未満 |
7.5トン以上 11トン未満 |
11トン以上 |
最大積載量 | 2トン未満 | 2トン以上 4.5トン未満 |
4.5トン以上 6.5トン未満 |
6.5トン以上 |
乗車定員 | 10人以下 | 10人以下 | 11人以上 29人以下 |
30人以上 |
バスコンのメリット・デメリット│他車種との違い
日本市場におけるキャンピングカーは、バスコンも含めて下記のようにタイプ別の呼称があります。
- フルコン(フルコンバージョン)
- セミコン(セミ・フルコンバージョン)
- バスコン(バスコンバージョン)
- キャブコン(キャブコンバージョン)
- バンコン(バンコンバージョン)
- 軽キャンパー(軽キャンピングカー)
- トラキャン(トラックキャンパー)
バスやマイクロバスをベースとしたバスコンは、下のクラスのキャンピングカーと比較した際に特に走行性能や居住スペースでメリットがあります。ただし、購入時はもちろんメンテナンスや税金など費用の負担が大きくなるというデメリットには注意が必要です
乗用を目的とした走行性能と圧倒的な居住空間が魅力
キャンピングカーの中でも最大サイズとなるバスコンは、大排気量のエンジンによる高い走行性能が魅力です。車高の高いキャブコンなどは高速道路で風にあおられやすいなどのデメリットがありますが、バスコンであれば加速性能はもちろん安定性も十分でストレスの少ない運転を楽しむことができます。また、ベース車両に搭載されるディーゼルエンジンはトルク性能に優れ、キャンピングカー改装後に重量が増えても燃費の低下を最小限に抑えられるのもメリットです。
さらに乗車定員29人以下の広大なスペースをそのまま居住空間に用いているのも大きな特徴だといえます。運転席の後ろには数人がくつろげるダイニングがあり、中腹部から後部はキッチンやトイレ、ベッドと余裕を持って生活スペースを配置できます。立ったまま生活スペースを移動できるなど、居住空間の快適性は大型のキャンピングカーならではのものです。
価格が高額で運転しづらいので普段使いには向かない
バスコンは、下のクラスであるバンコンやキャブコンなどと比較して価格が高額になる傾向があります。例えば2023年時点のトヨタ・コースターの車両価格は税込で約700万円~950万円程度となっています。さらにキャンピングカーに改装する際は広大な居住スペースに多くの資材を用いることから、価格は最低でも1,200万円から、高額なものでは2,000万円以上となることもあります。
また、車体サイズが大きいため運転が難しいこともデメリットとなりえます。運転には慣れが必要ですし、駐車スペースも限られるため普段使いには不向きです。メンテナンスはもちろん、高速道路や駐車場でバス料金が適用されるなど費用面での負担も大きくなってしまいます。
なお自動車税もトヨタ・コースター(排気量4.0リットル~4.5リットル)で年間75,500円(税込)と決して安い金額ではありませんが、8ナンバーを取得するなどして負担を抑えることは可能です。
バスコンは居住空間の広さや快適性がトップクラスのキャンピングカー
数あるキャンピングカーの中でも、バスコンは特に走行性能や居住スペースに優れたモデルです。一般道路、高速道路を問わずストレスの少ない走行性能、数人で寝泊まりしても快適な居住スペースはバスコンでしか味わえない魅力だといえます。
一方で、普段使いが難しいことや費用の負担が大きくなるなどデメリットもあります。メリット・デメリットを理解し、キャンピングカーの頂点「バスコン」の購入を検討してみてはいかがでしょう。